不妊症コラム

■体外受精について

近年不妊症(ART:生殖補助医療)の技術進歩には、目覚しいものがあります。
日本での体外受精を行っている施設は米国より多く600を超える勢いで、 65人に1人が体外受精児として出生していることとなります。
体外受精とは、排卵誘発剤などによって卵胞を発育させ、複数の卵子を採取(採卵)し、夫から採取した精子を混ぜ受精卵とし、それを培養、子宮内に移植するものです。
ここに体外受精について、興味深い研究報告があります。
体外受精による妊娠は胎盤や臍帯(へその緒)に異常が発生する頻度が自然妊娠を大幅に上回るというのです。
平成19年4月開催された日本産科婦人科学会では、胎盤が子宮から早くはがれてしまい、胎児のみならず母体にも危険の及ぶ「胎盤早期剥離」は自然妊娠の約5.5倍、へその緒が胎盤でなく卵膜につく「卵膜付着」は約9倍「前置胎盤」は5.4倍との発表がありました。
米国の疾病対策センターの調査でも同様の傾向が示されています。
体外受精は卵管障害で妊娠が絶望視される場合や、一般的な不妊治療では自然妊娠が不可能と考えられ、どうしても赤ちゃんを望む場合に実施されるもので最後の望みをつなぐ治療法とされるべきです。

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