• トップページへ
  • クリニックについて
  • 診療のご案内
  • アクセス
  • ブログ

コラム・著書紹介

コラム

AMH(抗ミューラー管ホルモン)

最近は、抗ミューラー管ホルモンが卵巣予備能をみる検査として注目されています。

このホルモンは前胞状卵胞(しばらくは排卵しない卵胞)で作られ、加齢とともに減少し、更年期ではほとんど検出されなくなります。
AMHの低値の方は残存卵子数が少なくなっており、排卵率や妊娠率が低下します。
また、AMHはFSHやLHと異なり、月経周期に影響を受けません。どの時期でも採決が可能です。
ただ、PCO(多嚢胞性卵巣)は値が高く出る傾向にあるので注意が必要です。

AMHの測定とFSH、LHの結果を合わせると卵巣予備能を評価するすぐれた指標になり、不妊治療において、早期のステップアップが必要か検討することができます。
ただ、AMHが低いからと言って卵子の質が悪いということではなく、あくまで残存卵子数の数を現わしているだけです。

検査は採血だけで済みますが、まだ、保険が適応されず自費診療となります。

高プロラクチン血症

プロラクチンは脳下垂体から分泌され、血液中のプロラクチンの値が高値を示すものを高プロラクチン血症といいます。
その値が高くなると、乳汁漏出や排卵障害が引き起こされます。
また、排卵障害がなくともプロラクチンの値が高いときは不妊の原因になるといわれています。
高プロラクチン血症の原因はプロラクチンを抑える物質が減少したり、プロラクチンを産生する腫瘍により起こります。
普段はその値が正常な人でも妊娠中、睡眠時、ストレス下で上昇します。
また、ピルや胃腸薬でも上昇することがあります。
治療としては、脳下垂体の腫瘍が大きい場合は手術、小さい場合はプロラクチンを下げる薬(ブロモクリプチン)を内服します。
ピルや胃腸薬で上昇する場合は薬を中止して2~3カ月様子を見ます。
乳汁漏出がある方は早めの受診をお勧めします。

多嚢胞性卵巣(たのうほうせいらんそう:PCO) 

PCOとは 1)無月経、生理不順  2)超音波検査で卵巣に嚢胞がたくさんある  3)男性ホルモンが高いか、LH(黄体化ホルモン)が高い のすべてを満たした場合に診断される疾患です。
それ以外の症状としては、排卵のかなり前から頚管粘液(粘り気があり卵白様)が多く分泌されます。
また少しずつ生理痛が強くなってくることが多いといわれています。

治療として、妊娠を望まれる方はクロミッドという排卵誘発剤が第一選択となります。
また、男性ホルモンを下げる目的で、ステロイド剤や漢方療法(芍薬甘草湯等)も併用されます。
それでも効果のない場合は糖尿病の薬を追加することにより、排卵する場合もあります。
(PCOの人の中には糖尿病の要素を持っている人がいるからです。)
以上の治療が無効な時は、排卵誘発剤としてゴナドトロピン(FSH,HMG)療法が使用されます。

手術療法としては腹腔鏡下で卵巣楔状切開術が行われ、それにより排卵が回復するともいれています。
妊娠を望まれない方には、低用量ピルを生理不順の治療に処方することがあります。
体型としては内臓肥満型の人に多くの発症が見られるといわれています。
近年、増加してるといわれている疾患ですので、症状があったら早めの受診をお勧めします。

不育症

一般には連続2回以上の流早産・死産を繰り返すものをいい、 3回以上連続するものを習慣流産と呼んでいます。
わが国にはおよそ15万組のカップルが不育症といわれています。
その原因には、
①子宮の形態異常
②内分泌異常
③自己抗体および抗リン脂質抗体の異常
④凝固因子活性の異常
⑤染色体異常体等があるといわれます。
治療としては
①子宮形成術や子宮筋腫核出術など
②甲状腺、糖尿病などがそれに対する治療、また排卵、着床に問題があれば不妊症としての治療
③④漢方療法(柴苓湯など)、低用量のアスピリン、ヘパリンなどで多くの方が元気なお子さんを胸に抱かれています。
不育症の原因は様々であり、単一でないこともあります。
流産を繰り返すようなら、早めの受診をお勧め致します。

不妊症と漢方

不妊治療の進歩は目覚ましく人工授精、生殖補助医療(ART:体外受精、顕微授精)が様々な施設で行われるようになってきました。
しかし、これらの治療でも妊娠に至らないカップルがいるのも事実です。

近年、科学的データも集積され、漢方療法が再度見直され始めています。
<排卵障害>には当期芍薬散、桂枝茯苓丸、女神散等が汎用されます。
当期芍薬散にはクロミッドの作用を増強する力もあるといわれています。
<無月経>には温経湯の投与で排卵を見ることがあります。
<黄体機能不全>には一般的には当期芍薬散が用いられています。
<PCO>には芍薬甘草湯、温経湯等が使われ効果を上げています。
<男性不妊>には補中益気湯、八味地黄丸、柴胡加竜骨牡蠣湯で妊娠に至った症例が多く見受けられます。
しかし、漢方療法はその人の証(漢方医学的診断)により処方されないと、効果が出ません。
また、不妊症の場合は妊娠したら中止しないといけない漢方もあります。
漫然とのむのではなく、医師とよく相談の上の服用して下さい。

基礎体温で何がわかるの?

基礎体温を測ることにより生殖機能(ホルモンの様子)から妊娠しやすい時期まで知ることができます。
基礎体温は数字であらわした表でなく、表に温度をプロットして(点を打って)折れ線グラフにしないと体の状態は読み取れません。

そのグラフからは、排卵の有無、着床に関与する黄体ホルモン(プロゲステロン)の様子、卵巣機能の状態がわかります。
 測り方としては枕元に体温計を置き、朝、目が覚めたらそのまま布団の中で測るようにしましょう。
生活が不規則な方は測った時間を欄外にメモしておくとよいでしょう。

なお、基礎体温表には、その日の体調やセックスをしたかどうかなども簡単に注記しておくと、後で大変参考になります。
また、産婦人科に受診するときは持参すると診断の助けになります。
当院で使用している基礎体温表をご希望の方はhttp://www.beijyu.comに

黄体機能不全

子宮着床障害の原因で一番多いのが、黄体機能不全による内膜障害です。
前にも述べたように黄体の働きが悪くなると、排卵後に卵巣からプロゲステロン(黄体ホルモン)が十分に分泌されなくなります。

プロゲステロンが足りないと受精卵のゆりかごともいえる子宮内膜の環境が悪くなります。
子宮内膜がせんべい布団状態となり受精卵はすやすやと寝ていることが出来なくなります。

治療はホルモン療法が基本です。
一般に使われるホルモン剤は、プロゲステロンとHCGです。
プロゲステロンは、黄体ホルモンそのものを補充します。
HCGは、黄体ホルモンを刺激して、その分泌を高めます。

そのほか、しっかりした屋根(黄体)は丈夫な土台(卵胞)をつくればできることから、排卵誘発剤を使用して、土台をしっかりさせる方法もあります。
背景に高プロラクチン血症がある黄体機能不全では、プロラクチンの分泌を抑えるブロモクリプチン療法などが行われます。

また、ホルモン剤の効果を高めるために漢方療法やビタミン剤の内服を試みる場合もあります。

不妊症と子宮筋腫

子宮筋腫は子宮に出来る良性の腫瘍です。
その出来る場所により大きく3つに分類されます。
子宮の外側に出来る『ショウ膜下筋腫』、子宮の筋層内で大きくなる『筋層内筋腫』そして子宮の内側に向かって大きくなる『粘膜下筋腫』です。
また稀ではありますが茎を持った有茎筋腫もあります。

筋腫があることが全て不妊の原因となるわけではありませんが、大きさや数、出来る場所により妊娠することに悪影響が出てきます。

不妊の原因となるのは『粘膜下筋腫』が多く、『漿(しょう)膜下筋腫』は不妊の原因とはなりにくいですが、妊娠すると中期に腹痛をともない切迫流早産の原因となる事が多いといわれています。

不妊症と子宮内膜症

子宮内膜症とは、子宮の内膜組織が子宮以外の場所に飛び火して付着をし、そこで増殖する病気です。
原因はまだよく解っていませんが、成人女性に発症し、初潮前や閉経後の女性にはみられません。
この病気になると、性周期に合わせて、毎月飛び火した場所で、月経と同様の出血を繰り返します。
そして、発生場所によって、卵巣嚢腫、卵管癒着、着床障害などを引き起こし、不妊の原因となります。

子宮内膜症は、子宮内膜が付着する場所によって、子宮腺筋症と(外性)子宮内膜症の2つに分類されます。
 
前者は子宮の筋層内に起こるものです。
後者はダグラス窩(子宮の裏側)や卵管、卵巣、腹膜、膣、膀胱、外陰など、子宮筋層以外に起こるものです。

このうち、不妊症の原因になると考えられるのは、子宮、卵管、卵巣などに発生した子宮内膜症です。

体外受精について

近年不妊症(ART:生殖補助医療)の技術進歩には、目覚しいものがあります。
日本での体外受精を行っている施設は米国より多く600を超える勢いで、 65人に1人が体外受精児として出生していることとなります。
体外受精とは、排卵誘発剤などによって卵胞を発育させ、複数の卵子を採取(採卵)し、夫から採取した精子を混ぜ受精卵とし、それを培養、子宮内に移植するものです。
ここに体外受精について、興味深い研究報告があります。
体外受精による妊娠は胎盤や臍帯(へその緒)に異常が発生する頻度が自然妊娠を大幅に上回るというのです。
平成19年4月開催された日本産科婦人科学会では、胎盤が子宮から早くはがれてしまい、胎児のみならず母体にも危険の及ぶ「胎盤早期剥離」は自然妊娠の約5.5倍、へその緒が胎盤でなく卵膜につく「卵膜付着」は約9倍「前置胎盤」は5.4倍との発表がありました。
米国の疾病対策センターの調査でも同様の傾向が示されています。
体外受精は卵管障害で妊娠が絶望視される場合や、一般的な不妊治療では自然妊娠が不可能と考えられ、どうしても赤ちゃんを望む場合に実施されるもので最後の望みをつなぐ治療法とされるべきです。

不妊治療は妊娠した場合の母児のリスクを少しでも減らすように、手順を踏みつつステップアップしていくことが大切と思われます。

子宮着床障害

受精卵は成長を続けながら2~3日子宮腔内を漂い、やがて子宮内膜に接触し、そこに着床します。
こういった受精卵の着床を妨げる要因はいろいろありますが、大きく、ホルモンの分泌異常と子宮自体の異常の2つに分けられます。
まず、ホルモンとの関係について説明しましょう。
子宮に作用するホルモンの分泌が正常に行われている場合は、受精が起こると、黄体ホルモン(プロゲステロン)や卵胞ホルモン(エストロゲン)などの連携プレーによって、子宮内膜は受精卵が着床して発育しやすいような状態になります。
しかし、このホルモンの分泌に異常が生じると、子宮内膜の発育と増殖が不完全となり、着床環境を十分に整えることが出来なくなるのです。
受精卵は子宮内膜に根を下ろすことなく、そのまま月経として体外に流れ出てしまいます。
これを「化学的流産」といいます。
着床障害を起こす子宮自体の異常としては、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮後屈、子宮発育不全、子宮奇形、子宮内膜炎などがあげられます。
ただ、これらの異常があっても必ず着床障害が起こるわけではなく、症状や状態の程度によります。

卵管障害

卵巣と子宮を結ぶ重要なパイプラインである卵管に閉鎖、狭窄、癒着などのトラブルが発生すると、卵子や精子が自由に往来できにくくなり、受精しにくくなります。
たとえ受精できたとしても、卵管に障害があると、受精卵はスムーズに子宮腔へ移動できず、不妊となってしまいます。
女性不妊の原因として最も多く、不妊症で悩む女性の3人に1人にみられるのが、このような卵管の通過障害です。
その多くは、細菌による感染症や子宮内膜症によって起こります。

排卵障害

女性側の不妊症の原因としては、「排卵障害」「卵管障害」「受精卵の子宮着床障害」などがあげられます。
女性の生殖器官は、ホルモンの分泌によって、周期的に、しかもデリケートに変化しているため、どこか一か所にトラブルが生じると、他の部分にも影響が現れます。
複数の原因が重なって起こるのが、女性不妊の大きな特徴といえるでしょう。

卵子が卵巣から排出されない、排出されても回数が少ない、という異常を排卵障害といい、女性不妊の約10%を占めています。
その原因としてまず考えられるのは、内分泌のトラブルです。
卵巣は脳にある下垂体の指令を受け、性腺刺激ホルモンの分泌によって働きが調節されていますが、中枢神経や卵巣機能の異常、精神的なストレスなどが引き金となって指令系統に障害が発生すると、無排卵の状態になるのです。

不妊の原因は男女にほぼ等しくある

不妊の基礎知識として述べた【排卵】【射精】【受精】【着床】4つの条件のどれが欠けても、妊娠は成立しません。

データでは、女性に原因がある場合(女性不妊)が40~50%、男性に原因がある場合(男性不妊)が30~40%となっています。

その他の約20%は男女ともに原因があるか、原因不明のものです。

女性側の不妊症の原因としては、「排卵障害」「卵管障害」「受精卵の子宮着床障害」などがあげられます。

女性の生殖器官は、ホルモンの分泌によって、周期的に、しかもデリケートに変化しているため、 どこか一か所にトラブルが生じると、他の部分にも影響が現れます。
複数の原因が重なって起こるのが、 女性不妊の大きな特徴といえるでしょう。

妊娠成立のための条件・・・着床

卵管内の受精卵はすぐに細胞分裂を始め、成長しながら、卵管の働きによってやがて子宮に運ばれます。
そして、排卵後のホルモンの分泌によって受精卵の受け入れ態勢を整えている子宮内膜に根を下ろします。
(着床) ところが、受精卵が卵管から子宮へ正常に輸送されない場合は、子宮外妊娠などのトラブルが発生して、受胎の成立に支障が現れます。
また、受精卵が子宮内で着床に失敗したり、うまく着床しても子宮内膜の受け入れ態勢が十分に整っていないときは、受精卵は正常に発育できず、そのまま死んでしまったり、流産を起こしたりします。

妊娠成立のための条件・・・射精

男性性器の睾丸でつくられる精子は、性的興奮によるペニスの勃起によって、精液とともに勢いよく体外に排出されます。
これが射精です。

女性が妊娠するためには、男性性器から受精能力のある精子が女性の膣内に射出されなければなりません。
健康な成人男性が1回の射精で放出する精子の数は約 3億といわれますが、膣内の酸によって大部分が死滅するため、卵管に無事到達できるのはそのうちわずか200ほどです。
このことから、膣のできるだけ奥に射精し、精子の負担を軽くするのが理想といえます。

妊娠成立のための条件・・・受精

受精は、精子が卵管内に到達したとき、すでにそこに卵子がいるか、あるいは卵子が卵管内に入ってくるのを待ち構えている状態の場合のみ成立します。

卵子の平均寿命は12~24時間で、それ以上経つと受精能力は消滅します。
精子の寿命もせいぜい2~3日です。
卵管内で卵子と精子が出会って受精卵となるためには、時間的なタイミングがとても重要になるわけです。
つまり、排卵が起こる2日前くらいから排卵の日までにセックスがなければ、妊娠はおこりません。

妊娠の成立(排卵)

女性の体の中で月経が起こると、卵巣にある10~20個ほどの原始卵胞が発育を始め、月経周期の途中でその中の1個が急速に発育して成熟卵胞になります。
成熟卵胞はやがて卵巣の表面に近づいてふくらみ、月経の2週間前後に卵胞の膜が破れて、卵子が腹腔内に排出されます。
これが排卵です。

その後、卵管の活発な運動によって卵子は卵管内に吸い込まれていき、精子との出会いを待つわけですが、卵巣の異常で排卵がない場合、あるいは卵子が卵管に入れない場合は、妊娠は不可能になります。
排卵を簡単に知る方法として、基礎体温があります。

続発性不妊症

不妊症には2つのタイプがあり、「原発性不妊症」「続発性不妊症」に大別されます。

「原発不妊症」は結婚して正常な性生活がありながら、一度も妊娠しないというケースです。

一方、過去には妊娠や出産の経験はあるものの、それ以降ずっと赤ちゃんに恵まれない状態を「続発性不妊症」といいます。
赤ちゃんを産んだ後、2番目、3番目の子供が出来ない場合、あるいは妊娠したのにやむを得ない理由で人工中絶を行い、その後全然妊娠しない場合などです。
続発性不妊症は、妊娠や出産によるからだ(排卵状態)の変化、子宮の病気や感染症、授乳をやめてもお乳を出すホルモンが高い高プロラクチン血症、人口妊娠中絶や帝王切開といった手術の後遺症が原因になっていることもあります。

「続発性不妊症』の場合は、1度妊娠したからといって安心せず2年の不妊期間があれば、不妊症の専門医の下でしっかりした検査を受けることをお勧めします。

今年こそは赤ちゃんを!

「結婚すればすぐに赤ちゃんができると思っていたのに、なかなか妊娠しない」「仕事もやめ、万全の態勢で子作りに励んでいるのに、いっこうに妊娠の兆しが無い」・・・こんな時、ふと頭をよぎるのが”不妊症”という言葉ではありませんか。

健康な男女が結婚して通常の夫婦生活を営む場合、結婚後1年以内に約80%、2年以内では約90%が妊娠しています。
その反面、赤ちゃんが欲しいのに恵まれないというカップルも多く、現在、日本では夫婦の10組に1組、約100万組が不妊症に悩んでいるといわれております。

しかし、結婚して半年や1年経っても子供が出来ないからといって、勝手に不妊症と決め込むのは間違いです。

不妊症の疑いがない男女が、毎月、排卵日にセックスしても、妊娠する確率は4回に1回といわれています。
夫婦が力を合わせ、新しい生命を生み出すことは、それだけドラマチックなことなのです。
世界産婦人科連合では、妊娠できる年齢に達した男女が、結婚後正常な性生活を送り、特に避妊などをしていないのに、2年経過しても妊娠しない場合を不妊症と定義しています。

ただし、避妊、長期出張などで性生活が中断されるケースでは、その期間を差し引いて考えます。
”避妊をしないで2年”が不妊症かどうかの目安になるといえるでしょう。

このページの先頭へ