おしらせ

リスクを抑えた無痛分娩のために当院が心がけていること

■無痛分娩とは

無痛分娩とは、麻酔を利用して出産時後の痛みを和らげる方法です。医療機関では主に硬膜外鎮痛法と、鎮痛薬を点滴投与する方法が取られています。

無痛分娩ですがウェブ上で検索を行うと「事故」「安全性」「リスク」、そして「死亡」など様々なネガティブなワードが表示されるのが特徴です。そこで、今回は無痛分娩の中でも「硬膜外鎮痛法」の概要や安全性、リスクを抑えるために当院が心がけていることをご紹介します。

硬膜外鎮痛法による無痛分娩の仕組み
無痛分娩のメリット
無痛分娩のリスク・デメリットと対処法
無痛分娩の普及率はお産全体のわずか5.3%
無痛分娩の安全性
安全性を高めるために当院で行っていること
無痛分娩のご相談は小川クリニックまで
費用に関して

 

■硬膜外鎮痛法による無痛分娩の仕組み

硬膜外鎮痛法は背骨の腰のあたりに局所麻酔を行い、脊髄の手前にある硬膜外腔に硬膜外針を入れるというものです。そこから、極細のカテーテルを挿入し、麻酔薬を一定量入れていきます。

硬膜外腔には神経が通っているため、陣痛や出産時の痛みが和らぎます。一方で、出産の時間が長引いたり、医療側が十分な注意を怠ると、合併症を引き起こすリスクがあるのも事実です。無痛分娩を検討している方は、メリット・デメリットを詳しく知っておきましょう。

 

■無痛分娩のメリット

●お産に関する痛みを和らげることができます

無痛分娩の一番のメリットです。多くの方が「言葉にならない痛み」と表現する陣痛の苦しみを抑えて、落ち着いて分娩に臨めるようになります。また、外陰部や膣の裂傷が起こった際に必要となる縫合時も痛みが生じません。

●生まれる瞬間を見届けられます

麻酔と聞くと「眠る」イメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、それは全身麻酔のときだけです。硬膜外鎮痛法は下半身のみに作用するので、意識ははっきりした状態。赤ちゃんの生まれる様子を見届けることができます

●出産後の早期回復が期待できます

痛みは人間にとって大きなストレスです。実際、痛みによってお産後の経過が悪くなることが報告されています。無痛分娩を行えば、お産後の回復が早まる効果が期待できます。

 

■無痛分娩のリスク・デメリットと対処法

無痛分娩には麻酔や合併症に関する様々なリスク・デメリットがあります。しかし、医療側が細心の注意を払えば、リスクを0に抑えることが可能です。

●微弱陣痛によって分娩が遅れる可能性がある

麻酔をすると陣痛が弱まることがあります。すると、陣痛促進剤を使用が必要となります。また、いきむ力が弱くなり、吸引娩出術が必要となることもあります。
ただ、陣痛開始より子宮口全開大までの時間は無痛分娩の方が短くなるという報告もあります。

●発熱が起こることがあります

硬膜外鎮痛法には「血圧が下がる」「排尿感が弱くなる」など様々な症状が出ることがあります。なかでも報告が多いのは、無痛分娩を開始して時間が経つと起こる発熱です。ほとんどの方はしばらくすると熱は落ち着きます。生まれてくる赤ちゃんにも。問題はありません。

●重い合併症・副作用が起こる可能性が指摘されています

発生する確率は極めて稀なものの、硬膜外鎮痛法は重い合併症・副作用が引き起こす可能性があります。たとえば、意図せず、脊髄くも膜下腔に麻酔薬が入ってしまうと、産後に激しい頭痛が生じたり、重症の場合は呼吸が出来なくなるケースが報告されています。

また、血管内に麻酔が多量に入り込むと、「局所麻酔薬中毒」によって中枢神経全体にトラブルが発生してしまうこともあります。
しかし、硬膜外麻酔の経験を積んだ医師と医療スタッフが管理すれば、リスクはほぼ0と言ってもよいでしょう。

 

■無痛分娩の普及率はお産全体のわずか5.3%

2014年から2016年に日本で行われた分娩のうち、無痛分娩率はわずか5.3%です。フランスは65.4%(2016)。アメリカは41.3%(2008)であることから、諸外国に比べると圧倒的に少ないことがわかります。(平成30年「無痛分娩の実態把握及び安全管理体制の構築について」より)

なぜ日本において無痛分娩は広まらないのでしょうか?
理由は2つあります。一つは、日本において出産=痛みに耐えることという価値観が根強く残っているからです。無痛分娩で産むと愛情が薄れるとお考えの方は一定数いらっしゃいます。しかし、当然ながら痛みと愛情には何の因果関係もありません。痛みに対する感受性も人それぞれです。

もうひとつの理由は、無痛分娩を受け入れる産科医療施設の少なさに起因します。欧米においては、日本以上に各診療科間で連携が進んでおり、積極的に硬膜外無痛分娩を行える環境が整っていると言われています。

 

■無痛分娩の安全性

無痛分娩に関しては、2017年にいくつかの重大事故が発生しました。そのことから、無痛分娩=危険と思われている方も多いようです。

ただ、厚生労働省が平成30年に開催した「第61回社会保障審議会医療部会」の資料を見ると様々なことがわかります。2010年から2016年までの間に、妊産婦死亡は271例起きましたが、そのうち無痛分娩は14例、しかも麻酔が原因だったものはわずか1例に過ぎません 。一番多かったのは羊水塞栓症であり、無痛分娩は直接的な要因ではないというわけです。

しかし調査をすすめるうちに、死亡事故にまでは至ってないが重篤な麻酔合併症がおきていたことも明らかになったため、現在国は注意喚起を続けています。

 

■安全性を高めるために当院で行っていること

●インフォームドコンセント

無痛分娩はメリット・デメリットが両方考えられる出産法です。そのため、当院では術前・術中・術後の流れを詳しく説明し、リラックスして出産に望めるよう取り組んでいます。必ず患者さんに納得していただいた上で治療に進む「インフォームドコンセント」を徹底しています。

●リスクを把握する

硬膜外鎮痛法は全員が受けられるとは限りません。当院では「無痛分娩」が適さないケースを事前に把握することで、リスクを最小限に抑えています。

「無痛分娩」が適さないケースは

  1. 背中に脂肪が付き、椎間がわからないレベルで肥満が進行している方
  2. 出血傾向がある、もしくは抗血栓療法中の妊婦
  3. 骨折の既往や側弯など脊椎の異常が認められる
  4. 赤ちゃんの元気がない場合(分娩進行中に元気がなくなると中断する場合もあります
  5. 出産を前向きにとらえられない人

“自分で産むぞ”という気持ちを持って分娩をするといいお産が出来ます。

●無痛麻酔を開始してからはスタッフが片時も離れません

無痛分娩は薬剤のテストや初期の麻酔効果に問題がなくても、分娩進行中に容態が急変することがあります。そのため、当院ではいかなる変化にも対応できるよう、助産師が片時も離れずに付き添っているのが特徴です。無痛分娩の麻酔開始から分娩が終わるまで助産師がずっと見守っています。

●分娩前・分娩中・分娩後すべての痛みを最小限に

分娩後、会陰の傷の痛みが強くて、歩けなかったり、食事も満足にとれなかったりするお産では無痛分娩の意味が半減します。
当院では、ⅰ.お産の準備(ラミナリアなどの頸管拡張)ⅱ.お産(無痛分娩)ⅲ.お産後(会陰の傷の痛み)など、すべての痛みを最小限に抑えて、分娩がいい思い出になるよう努力しています。

 

■無痛分娩のご相談は小川クリニックまで

当院の無痛分娩は硬膜外麻酔を使用しています。 今までに3000例近く(令和2年までの実績)の硬膜外麻酔を行っていますが、重篤な副作用が出たことは一度もありません。

出産を望みつつも、痛みが不安な方にとって無痛分娩は大きなサポートをしてくれる分娩法です、痛の感じ方は人それぞれ異なります。是非、メリット・デメリットを知った上で、ご自身に合った分娩法をお選びください。

 

■費用に関して

通常の分娩にプラスして、無痛の場合は80,000円追加費用がかかります。和痛の場合は60,000円の追加です。

ページトップへ