■黄体機能不全
- 不妊症コラム
子宮着床障害の原因で一番多いのが、黄体機能不全による内膜障害です。
前にも述べたように黄体の働きが悪くなると、排卵後に卵巣からプロゲステロン(黄体ホルモン)が十分に分泌されなくなります。
プロゲステロンが足りないと受精卵のゆりかごともいえる子宮内膜の環境が悪くなります。
子宮内膜がせんべい布団状態となり受精卵はすやすやと寝ていることが出来なくなります。
治療はホルモン療法が基本です。
一般に使われるホルモン剤は、プロゲステロンとHCGです。
プロゲステロンは、黄体ホルモンそのものを補充します。
HCGは、黄体ホルモンを刺激して、その分泌を高めます。
そのほか、しっかりした屋根(黄体)は丈夫な土台(卵胞)をつくればできることから、排卵誘発剤を使用して、土台をしっかりさせる方法もあります。
背景に高プロラクチン血症がある黄体機能不全では、プロラクチンの分泌を抑えるブロモクリプチン療法などが行われます。
また、ホルモン剤の効果を高めるために漢方療法やビタミン剤の内服を試みる場合もあります。