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ピル

低用量ピルとは

薬を飲む女性

ピルにはOC(経口避妊薬)とLEP(低エストロゲン、プロゲステロン配合薬)があり、避妊だけでなく、女性のライフサイエンスを改善する目的でも使われます。避妊を目的としているものをOC、月経困難症(生理痛)や子宮内膜症に伴う疼痛の治療をするものをLEPと呼び、ほぼ同じホルモン構成でエストロゲンを低く抑え、副作用が出にくくなるように調整されています。

ピルは飲み忘れが無ければ、他の方法より避妊効果は高いと言われています。またOC剤・LEP剤とも避妊以外に様々な効果があります。※OCは自費診療、LEPは保険診療です。

低用量ピルの効果

ピルを内服すると卵巣の働きが休まり、ホルモンのバランスが安定し、次のような症状が改善されます。
現在、たくさんの種類のピルがありますが、
当クリニックではお一人おひとりの体質などを詳しくお聞きし、その方に合ったピルを処方しています。

  1. 機能性月経困難症の改善(月経痛が楽になり、月経中の生活が改善します)
  2. 器質性月経困難症の改善(筋腫や内膜症を持っている人の月経痛を楽にします)
  3. 月経血の量の減少(月経期間も短くなります)
  4. 卵巣がんのリスクの低下
  5. 子宮体癌のリスクの低下
  6. にきびの改善※1
  7. PMS(月経前症候群)、PMDD(月経前不快気分障害)の改善※2
  8. 月経不順の改善(月経が規則正しく来るため、旅行などの予定が立てやすくなります)

※1 どのピルでも改善する可能性はありますが、特にヤーズ(DRSP)、ルナベル、シンフェーズ(NET)に効果が高いといわれます(効果が出るまでには3~6か月かかるといわれています)。
※2 ヤーズ(DRSP)、トリキュラー、ジェミーナ(LNG)に効果が高いという報告があります。

低用量ピルの処方について

処方前の検査

処方前には、以下検査が必要です。

1

身長、体重

2

血圧

3

血液検査

4

子宮頸がん検査

低用量ピルの使用開始時期

月経5日目までに開始します。月経1日目よりの開始が望ましいと言われています。

28錠タイプ

低用量ピル28錠タイプ

28錠タイプ

低用量ピル28錠タイプ

副作用

ピルの副作用には次のようなものがあります。副作用が出ないよう細心の注意をはらいながら、QOL(生活の質)を高めるために使用しましょう。

血栓症

ピルの内服により血栓症(エコノミークラス症候群)のリスクは上昇するといわれています。肥満、喫煙、高年齢はリスクを上昇させます。家族歴のある方、心臓の血管障害のある方も内服できない可能性があります。その多くは内服開始後3か月以内に起こることが多く、注意が必要です。大切なのは血栓症の早期発見です。以下のような症状が出た場合は、近くの総合病院か大学病院を受診してください

血栓症の兆候
  • ふくらはぎの痛み、足のむくみ
  • 激しい腹痛
  • 激しい胸痛
  • 激しい頭痛
  • 失神、物が見えにくい、舌のもつれ

ただし、ピルによる血栓症の発生率は低く、海外のデータでは、ピルを内服していない人の発症を1~5/1万人とすると、内服している人は3~9/1万人です。日本人は諸外国の1/3くらいの発症といわれています。妊娠による血栓症の発症は5~20/1万人、産後の血栓症の発症は40~65/1万人といわれており、ピルのリスクはさほど高いとは考えられていません。

※COVID19(新型コロナウイルス)に罹った時は血栓症のリスクが上昇するため、ピルの内服を中止して、かかりつけの産婦人科にご相談ください

嘔気

2周期以上症状が続くようならピルの種類を変えます。

頭痛

片頭痛のある方は内服できない可能性があります。

体重増加

むくみと食欲の出る人がいます。食べ過ぎに注意しましょう。

不正出血

飲み続けると3周期目くらいには消失することが多いといわれています。また、なかなか止血しない場合、ピルの種類を変えると止まることもあります。

低用量ピルの料金

保険で扱うピル(LEP)

処方前には、身長・体重、血圧、血液検査、子宮頸がん検査、超音波検査が必要です。

自費で扱うピル(OC)

トリキュラー28 3,080円(税込み)(LNG)
マーベロン28 3,080円(税込み)(DSG)

緊急避妊薬(アフターピル)とは

薬を飲む女性

避妊薬(EC: emergency contraception)とは、妊娠を望まない女性が避妊せずに性交渉を行った場合、または避妊に失敗した緊急時に服用する避妊薬です。

緊急避妊薬(アフターピル)の避妊効果

作用機序には2つの理由があると考えられ、性交渉の72時間以内に内服するとその効果が高いといわれています。

1

子宮内膜に作用して着床を阻害する

2

排卵を遅らせて精子との出会う機会をなくす

妊娠阻止率について

妊娠の可能性のある時期に内服して妊娠しなかった率をいいます。24時間以内に内服すると95%の避妊に成功するため、早めの内服が望まれます。

妊娠阻止率

緊急避妊薬(アフターピル)が必要な場合

  1. 避妊に失敗した性交渉があった時
  2. コンドームの破損、脱落、外れた時
  3. 低用量ピルの飲み忘れ、嘔吐や下痢の吸収障害
  4. 望まない性交渉を強いられた時(性暴力など)

緊急避妊薬の種類

ヤッペ法
中容量のピル(卵胞ホルモン+黄体ホルモン)を使用する方法
※性交渉後72時間以内に2錠内服して、その12時間後に2錠内服する方法
レボノルゲストレル(LNG)法
黄体ホルモン剤でヤッペ法に比べて避妊効果が高く、嘔吐などの副作用が少ないといわれています。
※性交渉後72時間以内に1回内服

緊急避妊薬の料金

ヤッペ法 初診料+指導料+超音波検査+腟洗浄
7,700円(税込み)
レボノルゲストレル(LNG)法 初診料+指導料+超音波検査+腟洗浄
11,000円(税込み)

緊急避妊薬(アフターピル)内服後の生活について

アフターピルを内服しても必ず避妊が出来るわけではありません。アフターピルを内服した時点ですでに妊娠している場合もあります。アフターピル内服後の月経は、いつもの月経と様子が違うこともあります。内服後の出血は月経が来たと思っても、実は初期の流産だっだり、異所性妊娠(子宮外妊娠)の可能性が否定できない場合もあります。出血(月経と思っても)があっても、服用から3週間後に妊娠検査薬で避妊に成功したことを確認することをお勧めします。

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