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更年期

更年期とは

頭痛に悩む女性

更年期とは、卵巣機能が低下しはじめ、消失するまでの時期をいい、日本では閉経前後の5年、計10年と定義されています。そしてこの時期に起こる「のぼせ」「不眠」「肩こり」「イライラ」など様々な不快な症状を「更年期障害」といい、同時に身体に多様な変化が出てきます。更年期障害やその時期の身体の変化は、まわりの人になかなか理解されにくく、1人で悩みがちでストレスはたまる一方です。

しかし様々な症状を軽くして、うまく乗り越えることができれば、明るい人生が開けてくるはずです。平均寿命が延びた現在では、更年期を迎えても、その後さらに平均30数年もの人生があります。更年期を正しく的確に把握すれば、つらさを軽くし、悩みを小さくすることができます。更年期前後に出る不快な症状は様々ですが、それぞれの症状に適した治療があります。どうぞお一人で悩まずに、ご相談ください。

更年期障害

症状

  • 顔のほてり(ホットフラッシュ)、発汗
  • 易疲労感、めまい、動悸、肩こり、冷え
  • 不眠、イライラ、抑うつ気分

※簡略更年期指数(SMI)チェック表を参考に受診の目安にして下さい。(チェックシートはこちら
※甲状腺の病気やうつ病が隠れていることがあり注意が必要です。

治療

1.生活習慣の改善

食事、運動(スポーツは肥満とストレスの軽減に有効です)

2.漢方療法

当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸(体質により使い分けます)

3.HRT(ホルモン補充療法)

使用する薬剤
通常は2種類のホルモン剤(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)が使用されます。分泌の少なくなった卵胞ホルモンを補い更年期障害として出る様々な症状を軽くします。卵胞ホルモンは子宮体癌のリスクを高めることがありますので、それを防ぐために黄体ホルモンを合わせて使用します。子宮を摘出した方には卵胞ホルモンの単独療法を行います。
投与方法
  1. 周期的投与法(閉経前後の女性に)
    ホルモン剤の休薬期間を設けて定期的に出血(月経)を起こす方法です。
  2. 持続的併用法(閉経後の女性に)
    ホルモン剤を持続的に投与して出血が起きないようする方法です。
  3. 持続的投与法(子宮を摘出した女性に)
    卵胞ホルモンのみを投与する方法です。
改善される症状
  • ほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)
  • 動悸、不眠、うつ状態
  • 萎縮性腟炎、性交痛
  • 骨粗鬆症
  • 高コレステロール血症
使用期間
5年間が目安
副作用
  • 出血、乳房痛
  • 子宮体癌(黄体ホルモンを使うことで防げます)

※乳癌、子宮体癌、血栓症の既往、心筋梗塞などの心臓病、肝臓の悪い方、その他慎重に投与しなければいけない疾患がありますので、ご相談ください。

女性性機能不全(FSD)

症状

年齢にかかわらず約40~50%の女性が何らかの性に関する悩みを抱えています。特に閉経前後になると性的快感が得られない、性行為に痛みを伴うなど苦痛を感じる方が増えてきます。

原因

骨盤の痛みや挿入障害のある場合は、エストロゲン欠乏による場合が多いといわれています。

治療

1

ホルモン療法(全身、局所)

2

レーザー治療

3

潤滑ゼリー

外陰部不快症状、閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM)

症状

  • 外陰部乾燥
  • 痒み
  • 灼熱感
  • 性交痛

治療

1

ホルモン療法(全身、局所)

2

レーザー治療(国内、海外の治験ではかなりの有効性が確認されています。当クリニックではインティマレーザーを使用しています。詳しくはこちら

3

保湿剤

4

潤滑ゼリー(刺激・炎症で悪化することあり)

尿漏れ(尿の無意識あるいは不随意な漏れ)

種類と症状

1.腹圧性尿失禁
運動やクシャミ、咳の時に尿が漏れます。
2.切迫性尿失禁
強い尿意があり我慢できない感じの直後に尿が漏れます。
3.混合性尿失禁
1と2が合わさったもの。

※多くは腹圧性尿失禁によるものが多いといわれています。
※治療の前に大切なことは婦人科の病気を否定しておくことです。(子宮筋腫、子宮癌、子宮脱などで膀胱や尿道が圧迫されたり、圧迫が緩んだりすることがあるため)

治療

骨盤底筋訓練

【やり方】

  • Step01. あお向けになり、両足を肩幅くらいに開き、軽く膝を立てます。
  • Step02. 尿道、肛門を締めたり緩めたりを2、3回繰り返し、骨盤底筋が締まる感じを確認します。
        次に尿道、肛門を締めて5~10秒くらい制止し、緩めます。これを10回で1セットとし、徐々にセット数を増やしましょう。
  • Step01

    骨盤底筋訓練 STEP1
  • Step02

    骨盤底筋訓練 STEP2

レーザー治療

当クリニックではインティマレーザーを使用しています。(詳しくはこちら

薬剤療法(塩酸クレンブテロ―ル)

骨盤底筋訓練で効果が認められない場合は、塩酸クレンブテロールという内服薬治療を行っていきます。

手術療法

骨盤底筋訓練、レーザー療法、薬物療法で効果が認められない場合は、手術療法が考慮され90%以上の効果があると言われています。

子宮脱(下垂)、膀胱瘤、直腸瘤

子宮脱(下垂)、膀胱瘤、直腸瘤

正常な場合

子宮、膀胱、直腸は支える組織(靱帯)が手をつないだ状態です(図参照)。子宮が下がってくると引きずられて膀胱、直腸が下がってくることがあります。子宮が腟より顔を出すのを子宮脱、腟内に収まっている状態を子宮下垂といいます。子宮がほとんど下がっていないのに、膀胱や直腸が下がって小さな柔らかい腫瘤を触れるものを膀胱瘤・直腸瘤と呼びます。

症状

症状は、会陰に物が挟まった感じがしたり、下着に子宮がこすれて出血したり、尿の出が悪かったり、便の出が悪かったりします。

子宮脱

子宮脱

膀胱瘤

膀胱瘤

直腸瘤

直腸瘤

原因

骨盤の下の部分の筋肉や靱帯が緩んでくることにより起こります。誘因としては、分娩、体質(やせすぎ、太りすぎ)、加齢などといわれています。

治療

1

骨盤底筋訓練

2

薬物療法(漢方など)

3

ペッサリー

4

レーザー治療(当クリニックではインティマレーザーを使用しています。詳しくはこちら

5

手術療法(メッシュ療法、子宮全摘+腟壁形成術、腟閉鎖術)

6

サポート下着

骨粗鬆症

骨密度測定結果

骨強度が低下して、骨折が増加する骨格疾患を言います。骨の強度には骨密度と骨質の2つがあります。強度の70%が骨密度に影響を受けるといわれています。

予防

食事、運動、喫煙・飲酒、早めの検診が大切です。

1.カルシウムの摂取

乳製品、小魚などを積極的に摂りましょう。

2.運動(バスケットなどの垂直運動)

高齢者は散歩、1日3回の開眼片足起立運動を頑張りましょう。

3.禁煙、アルコールの制限

禁煙・過度なアルコール摂取は控えましょう。

4.骨粗鬆症の検診

65歳になったら受けるとよいでしょう。両側卵巣摘出した方もおすすめします。また、早発閉経、無月経の方も早めに検診を受けるようにしましょう。

治療

ビスホスホネート薬、デノスコブ、エルデカルシトールなどですが、更年期障害を伴う女性ではHRTが第一選択となります。

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