妊婦健診と分娩施設の選び方
- 不妊症コラム
妊娠・出産は、安心して妊娠生活を送り、安全で思い出深いお産にすることに尽きますが、10カ月の長い経過の中では、順調に進んでいると思っていても、急に変化することもあります。そうしたことを考慮して、妊婦健診は細かい診察で母児のリスクを早めに察知して、必要な処置や提携病院への紹介といった対応を迅速に行ってくれるところが望ましいといえます。また、お産と産後のフォローも大切です。
月経が遅れて「もしかして妊娠?」というとき産婦人科選びに迷ったら、次に紹介するポイントを参考に、自分に合った施設を探しましょう。
なお、健診・分娩施設の情報は、ホームページだけでわかるものでもありせん。お悩みの方は直接ご来院して、ご相談ください。
1.自宅からの距離
妊婦健診、分娩場所とも自宅から車や公共交通機関で30分以内が目安です。都内はアクセスがよいため、もう少し離れている施設でもよいでしょう。
地方は分娩場所が限られ、自宅と分娩施設が遠いことが問題になります。里帰り出産を考えている方でリスクのある方は、アクセスのよい都内でのお産がおすすめです。
2.セミオープンシステム
セミオープンシステムとは、妊婦健診と出産とを別々の施設で行うシステムです。自宅近くのクリニックで健診を受け、出産は連携している病院で行うもの。セミオープンシステムは健診を毎回同じドクターに細かく診てもらうメリットがあります。
3.緊急時の対応
妊娠・分娩は急変することがあります。その施設で対応ができないとき、提携病院がどこか調べておきましょう。
4.費用
正常分娩でなら原則、健康保険適用外の自費診療となります。正常分娩の出産・入院費用はおおよそ50∼70万円で、無痛分娩は10∼20万円プラスになります。妊婦健診には費用の補助(金額は自治体によって異なります)、分娩には50万円の手当金が支給されます。
5.無痛分娩・和痛分娩
無痛分娩を希望する場合、出産日を決めて日中行う計画無痛分娩か、夜間の無痛分娩に対応してくれるか、無痛分娩を多く扱っている施設かどうか、などを確認しておきましょう。
(無痛分娩と和痛分娩は同義語です)
6.個室・大部屋
個室はプライバシーが守られます。一方、大部屋は同室のお母さんと仲良くなれるメリットがあります。
7.母児同室・母児別室
個室の場合、多くは母児同室が可能ですが、お母さんの体調によって新生児室で預かってくれるなど臨機応変な対応をしてくれるところもあります。大部屋の場合、原則的に母子別室の病産院もあります。
8.面会・立ち会い出産
コロナウイルス流行のため、現在、面会のできない、夫や家族の立ち会い出産ができない施設もあります。
9.赤ちゃんとお母さんの産後ケア(2週間健診など)
行政(保健所など)でも相談にのってくれますが、産後ケアは出産した施設で受けるのがベストです。
10.食事
産後の楽しみの一つは食事です。豪華でなくても食欲をそそり、おいしく満足できる食事は大切です。希望する分娩施設で出産した人がいれば、食事の評判を聞いてみるとよいでしょう。