人工授精とは
「人工授精」は「AIH」(artificial insemination with husband’s semen)と呼ばれています。排卵の時期に合わせて、パートナーに精液を取ってもらい、調整した精子(元気のいい)を子宮内に抽入する方法です。「人工」という言葉から、自然ではない印象をお持ちの方も多いようです。しかし、事前に採取した精子を、子宮の奥深くに注入するだけで副作用もほとんどなく、受精・着床と妊娠へ至る方法はタイミング療法(自然妊娠)とまったく変わりません。タイミング療法(自然妊娠)と比べ子宮の奥まで多くの精子が入り、卵子と出会う可能性が上がります。それにより、妊娠率が上がります。
人工授精での妊娠は不妊の原因にも依りますが、平均すると10%弱と言われており6回くらいで妊娠できない場合は次のステップ(体外受精や原因検索)を考えることも必要になってきます。ただ体外受精により増加するといわれている胎盤や臍帯の異常(コラム:最近のARTについて思うこと参照)の発生率も自然妊娠と同じといわれています。そして限りなく自然妊娠に近いので、赤ちゃんへの影響も自然妊娠と変わりません。
どのような方に人工授精は必要?
そもそも人工授精はどのような方に必要なのでしょうか?
当院の考えとしては以下に該当する方に人工授精をオススメしております。
- タイミング法で妊娠しなかった方
- 運動精子の数が少ない方
- ヒューナーテストが合格しないケース
- 夫婦の間が性交不能の状態にあるケース
- 早期に妊娠をご希望の方
- AMH(抗ミュラー管ホルモン)が年齢より低い方
元気な若いカップルが排卵日に性交しても4回に1回しか妊娠はしないので、問題の無いカップルは6周期はタイミング法で頑張りましょう。
軽度の男性不妊が適応で、重度になると体外受精の適応になります。
正常精液所見(WHO)は精液量1.5ml以上、精子濃度1,500万/ml以上、運動率40%以上となっています。
1回の検査でなく複数回の検査で判定します。
頸管の粘液が少ない場合や精子と粘液の相性(ヒューナーテスト)が悪いカップルは、子宮腔内(頸管の奥)へ直接精子を入れることで妊娠が計れます。
性交障害、射精障害があるがマスターベーションでは精液を取ることができる。
女性の年齢が35歳以上、子宮筋腫や子宮内膜症などを合併している方。
PCOS(多嚢胞性卵巣)の場合は高く出るので注意が必要です。
人工授精をスキップした方がよいケース
- 卵管が閉鎖して精子が通過できないケース
- 精子所見の著しく悪いケース
- 重度の子宮内膜症がある人
- 年齢が43歳を越えて、今までに妊娠の経験のない人



