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■体外受精について
近年不妊症(ART:生殖補助医療)の技術進歩には、目覚しいものがあります。日本での体外受精を行っている施設は米国より多く600を超える勢いで、 65人に1人が体外受精児として出生していることとなります。体外受精とは、排卵誘発剤などによって卵胞を発育させ、複数の卵子を採取(採卵)し、夫から採取した精子を混ぜ受精卵とし、そ...
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■子宮着床障害
受精卵は成長を続けながら2~3日子宮腔内を漂い、やがて子宮内膜に接触し、そこに着床します。こういった受精卵の着床を妨げる要因はいろいろありますが、大きく、ホルモンの分泌異常と子宮自体の異常の2つに分けられます。まず、ホルモンとの関係について説明しましょう。子宮に作用するホルモンの分泌が正常に行われている場合は、受精が起...
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■卵管障害
卵巣と子宮を結ぶ重要なパイプラインである卵管に閉鎖、狭窄、癒着などのトラブルが発生すると、卵子や精子が自由に往来できにくくなり、受精しにくくなります。たとえ受精できたとしても、卵管に障害があると、受精卵はスムーズに子宮腔へ移動できず、不妊となってしまいます。女性不妊の原因として最も多く、不妊症で悩む女性の3人に1人にみ...
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■排卵障害
女性側の不妊症の原因としては、「排卵障害」「卵管障害」「受精卵の子宮着床障害」などがあげられます。女性の生殖器官は、ホルモンの分泌によって、周期的に、しかもデリケートに変化しているため、どこか一か所にトラブルが生じると、他の部分にも影響が現れます。複数の原因が重なって起こるのが、女性不妊の大きな特徴といえるでしょう。卵...
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■不妊の原因は男女にほぼ等しくある
不妊の基礎知識として述べた【排卵】【射精】【受精】【着床】4つの条件のどれが欠けても、妊娠は成立しません。データでは、女性に原因がある場合(女性不妊)が40~50%、男性に原因がある場合(男性不妊)が30~40%となっています。その他の約20%は男女ともに原因があるか、原因不明のものです。女性側の不妊症の原因としては、...
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■妊娠成立のための条件・・・着床
卵管内の受精卵はすぐに細胞分裂を始め、成長しながら、卵管の働きによってやがて子宮に運ばれます。そして、排卵後のホルモンの分泌によって受精卵の受け入れ態勢を整えている子宮内膜に根を下ろします。(着床) ところが、受精卵が卵管から子宮へ正常に輸送されない場合は、子宮外妊娠などのトラブルが発生して、受胎の成立に支障が現れます...
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■妊娠成立のための条件・・・射精
男性性器の睾丸でつくられる精子は、性的興奮によるペニスの勃起によって、精液とともに勢いよく体外に排出されます。これが射精です。女性が妊娠するためには、男性性器から受精能力のある精子が女性の膣内に射出されなければなりません。健康な成人男性が1回の射精で放出する精子の数は約 3億といわれますが、膣内の酸によって大部分が死滅...
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■妊娠成立のための条件・・・受精
受精は、精子が卵管内に到達したとき、すでにそこに卵子がいるか、あるいは卵子が卵管内に入ってくるのを待ち構えている状態の場合のみ成立します。卵子の平均寿命は12~24時間で、それ以上経つと受精能力は消滅します。精子の寿命もせいぜい2~3日です。卵管内で卵子と精子が出会って受精卵となるためには、時間的なタイミングがとても重...
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■妊娠の成立(排卵)
女性の体の中で月経が起こると、卵巣にある10~20個ほどの原始卵胞が発育を始め、月経周期の途中でその中の1個が急速に発育して成熟卵胞になります。成熟卵胞はやがて卵巣の表面に近づいてふくらみ、月経の2週間前後に卵胞の膜が破れて、卵子が腹腔内に排出されます。これが排卵です。その後、卵管の活発な運動によって卵子は卵管内に吸い...
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■続発性不妊症
不妊症には2つのタイプがあり、「原発性不妊症」「続発性不妊症」に大別されます。「原発不妊症」は結婚して正常な性生活がありながら、一度も妊娠しないというケースです。一方、過去には妊娠や出産の経験はあるものの、それ以降ずっと赤ちゃんに恵まれない状態を「続発性不妊症」といいます。赤ちゃんを産んだ後、2番目、3番目の子供が出来...
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■今年こそは赤ちゃんを!
「結婚すればすぐに赤ちゃんができると思っていたのに、なかなか妊娠しない」「仕事もやめ、万全の態勢で子作りに励んでいるのに、いっこうに妊娠の兆しが無い」・・・こんな時、ふと頭をよぎるのが”不妊症”という言葉ではありませんか。健康な男女が結婚して通常の夫婦生活を営む場合、結婚後1年以内に約80%、2年以内では約90%が妊娠...